働き盛りの男性の患者様が初診で来られた際に、私は決まって同じお話しすることがあります。大抵、40代、50代の働き盛りの患者様は仕事が忙しく歯科に通う暇がない。痛いところだけ治して欲しいと言われる事が多いからです。
そんな時に以前当院の患者様の何げなくお話ししてくださった言葉を引用させて頂き、歯の大切さをお伝えしています。
その患者様は70代男性で、下の歯は何本か残っていますが上顎が総入れ歯です。以前は某大手家電メーカーT社に勤められ、日本の高度経済成長期を支えてこられ、蓄えもしっかりされ、不動産もいくつかお持ちの方です。その方が治療が終了した時に言われた言葉が
「私はね、人生何も思い残すことはないが、歯だけは後悔している」
とおっしゃたのです。
働き盛りの頃は会社の中に歯科の診療所が有り、歯が痛くなると通って直す時間がないので抜いてもらい、また痛くなると抜いてもらいの繰り返しでとうとう歯がなくなってしまったとのこと。
忙しさにかまけて歯の治療、口腔ケアを軽んじないよう、年齢を重ねた時に後悔される方が1人でも少なくなるよう「痛いところだけ治してくれれば良い」と言われる患者様にこの話をさせて頂いております。
このブログを書くに当たりご本人に了承を得て書かせて頂いております。是非、皆さんこの言葉を無駄にすることなく心に留め、いつ始めても遅いと言うことはありません。できることなら若いうちからしっかりと正しい口腔ケアを知って頂き、一生自分の歯で美味しく、そして家族や友人と素敵な笑顔で楽しくお食事を召し上がって頂ければと願っております。
私たちスタッフ一同、日々そのお手伝いをさせて頂いております。何か少しでも気になることがありましたらどうぞご相談下さい。