「最近、飲み込み辛くなった」
「人と話していると口がパサついて、喋りにくい」
「以前よりも口臭がきつくなった気がする」
「朝起きると、口の中がネバネバする」
「最近、食べ物の味がぼやけて分からなくなってきた」
このようなお悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
実はこれらの症状は全て、お口の中が乾燥してしまうことによって起こる症状なのです。
お口の中が乾燥してしまう主な原因は「唾液の分泌量の減少」。ストレスや不規則な生活習慣をはじめ、加齢や薬の副作用、妊娠出産、病気等、さまざま要因により起こります。
唾液が少ないと口が乾いてしゃべり辛いだけではなく、食べ物が飲みにくくなったり、夜口が乾いて目が覚めてしまうなど日常生活にも支障が出てしまうことが少なくありません。辛い症状でお悩みの方は、まずは一度相談にいらしてください。
ドライマウス(口腔乾燥)とは?
ドライマウスとは、さまざまな原因により唾液分泌量が低下し、お口の中が乾いてしまう症状のことを言います。
ドライマウスは主に中高年の方に多く見られる症状ですが、最近では比較的年齢層の方でも口の渇きを訴える人が増えてきています。
唾液の分泌量が減ってしまうと、唾液の持つ抗菌作用や自浄作用といった機能も低下してしまうため、虫歯や歯周病にもなりやすくなってしまいます。なるべく早めに対応・ケアをすることが必要です。
ドライマウスの主な原因
口の周りの運動量の少なくなる
主に高齢者のお口の乾燥の原因になります。家族が少なくなった。家にこもりがちで、外に出て人と喋らなくなった。などしゃべる機会や食べる量が少なくなることで、口の周りの筋肉を動かすことが少なくなってしまうため、脳に「唾液を出せ!」という指令が届かなくなり、唾液の分泌が低下します。
人と会ってお喋りをすること、良く笑うこと、口の周りの筋肉の運動をすることで症状が緩和することが多々あります。試してみてください。
口呼吸
本来なら人間は鼻で呼吸しなければいけないのですが、鼻での呼吸ではなく口で呼吸をしていると口の中が乾燥してしまいます。
口呼吸になってしまう原因としては、鼻の詰まり、歯並びの悪さ、過度な運動の連続、口周りの筋肉の衰えも挙げられます。
お口の周りの筋肉をしっかり動かすことを習慣にして、口をしっかりと閉めて鼻で呼吸をするようにしましょう。
生活習慣
食べ物をよく噛まない、早食い、喫煙などの影響で唾液の分泌が低下します。
ストレス
唾液腺は自律神経に支配されています。ストレスがあったり緊張したりすると交感神経が刺激され、唾液の分泌が抑制されます。
女性ホルモンの低下
女性の場合、更年期になると女性ホルモンの分泌が低下します。それに伴って唾液の分泌量も減ります。
全身疾患や薬によるもの
糖尿病や腎疾患、シェーグレン症候群などの病気がある場合は口腔内が乾燥しやすくなります。
また、抗不安薬、抗うつ剤、抗アレルギー剤、降圧剤、抗がん剤、放射線治療などで唾液の分泌が抑制されることがあります。
ドライマウスを軽減するための3つの運動
あいうべ体操
「あいうべ体操」とは、福岡県のみらいクリニック今井一彰先生が考案されたお口の周りの筋肉を鍛えるための運動です。
あいうべ体操は主に、口呼吸から鼻呼吸に変えることを目的とした運動。ドライマウスにはもちろん、虫歯、歯周病、歯並びの悪化予防などの効果もあります。
「口呼吸が癖になっていて口が乾く」という方にはぜひ試してもらいたい運動です。
あいうべ体操のやりかた
- 「あー」と口を大きく開く
- 「いー」と口を大きく横に広げる
- 「うー」と口を強く前に突き出す
- 「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
上記の1~4をセットとし、1日30回を目安に行ってください。2-3回に分けて行っても大丈夫です。
「あ」「い」「う」の口は思い切り広げたり、とがらせたりするのがコツです。そして最後「べ」で、できるだけ舌を出して伸ばします。
最初は疲れたり筋肉痛が出たりしますが、それは今まで筋肉を使っていなかった証拠。毎日続けると楽にできるようになってきます
ゴリ顔体操
この体操は、行っている姿がゴリラの真似をしているように見えることから「ゴリ顔体操」と名付けました。
この体操も道具を使わずどこでもできる体操です。
ゴリ顔体操のやり方
- 鼻の下の唇の中に舌を入れる。
- そのまま舌を歯と頬の間を移動するように奥歯の方へ動かします。
- 奥歯まで付いたら、さらに舌を下に移動して下唇と歯の間に移動。
- 2と同じ要領でぐるりと回します。
上記の1~4を1セットとし、10セットを目安に行ってください。
これを1日3回程度行ってください
タッピング
タッピングは、舌の機能を高める運動です。
最近しゃべりにくくなった。ものが飲み込みにくくなったという方に是非行っていただきたい運動です。
タッピングのやり方
- 舌全体を上あごに吸い付けます。
- 舌が完全に吸いあがってから舌を下にはじき、「ポン」と音をだしましょう。
イメージとしては、舌全体で舌打ちをするようなイメージです。
舌の筋肉が弱いとうまく音が鳴りません。「ポンっ」音が出せるようになるまで練習をしてみてください。